生存報告から1ヶ月以上たってしまいました…。記事の更新はちょくちょくしていたのですが、新規の投稿は久々です。今後も無理のない範囲で更新は続けていきたいと思います。
それでは本題に入っていきましょう。今回ご紹介するのは、中田考先生の『みんなちがってみんなダメ 身の程を知る劇薬人生論』です。
表紙にはかわいい女の子が描かれていますが、内容はとても過激です。当ブログでは自己啓発本をいくつかご紹介してきましたが、それらの内容を根本から覆す事柄が書かれています。当ブログにとっても、そして私にとっても劇薬となった書籍です。
世に溢れている「みんな違って、みんな良い」「努力すれば、夢はかなう」といった価値観を、真っ正面から否定しています。本書に書かれているのは「バカは身の丈にあった生き方をしろ」です。
では、本書の内容を一部引用しつつ感想を述べていきます。
どんなに頑張ってもミミズはヘビになれない
ミミズが自分をヘビだと思うから不幸になる。それをバカと呼ぶならば、バカだから不幸になる。「あなたが不幸なのはバカだから」なんです。
…『みんなちがってみんなダメ 身の程を知る劇薬人生論』より
いくら身体能力が高くても、頭が良くてもミミズはミミズです。自分の能力を過大評価し「自分はヘビだ」と勘違いしても、ミミズであることは変わりません。自分をヘビだと思い込んでカエルを食べに行けば、逆に食べられてしまうでしょう。
自分の能力をちゃんと理解して分相応に生きるのが賢いということです。
…『みんなちがってみんなダメ 身の程を知る劇薬人生論』より
ミミズの例え話で言いたいことは、自分の力を過大評価せず、身の丈にあった生き方をしろということです。「夢はかなう」「あなたには無限の可能性がある」といった甘い言葉に惑わされて、分不相応な夢を見てしまうことが不幸の始まりです。実際に夢が叶う人間は一握りですし、人間は万能な能力を持っているわけではありません。
私も分不相応な夢を抱えて突っ走っている1人なので、本書の内容は痛いほど突き刺さりました。自分の能力以上の事ができると思っているから、実際にできないと落ち込みますし、理想の自分と現実の自分との落差に苦しみます。
本書に書かれているように、できないことはできないと認めて、自分の能力をきちんと把握することが、不幸な現状を変える方法だと思います。地道に自分のできることを1つずつ確実にやっていきたいです。
夢見る奴隷のままで良いのか
「あなたには無限の可能性がある」「努力すれば夢は叶う」と言った甘い言葉に、私も踊らされてきました。夢を見ていると気持ち良くなれますし、一時でも現実の自分を忘れられるからです。でも現実は甘くはありません。夢を叶えるための道のりは、果てしなく遠く険しいです。
しかし、本屋の自己啓発本のコーナーに行くと、「あなたならできる」「あなたは唯一無二の存在」のような言葉がたくさん掲げられています。夢を見させ、希望を持たせる言葉が溢れています。多くの人が夢を叶えられず、人生がうまくいかず悩んでいるからです。そして悩み苦しんでいる人は、自己啓発本によって慰められています。
しかし自己啓発本を読んだからといって、夢を叶えられる人はおそらく一握りでしょう。その他多くの人は夢を叶えられず、苦しみます。そしてまた、夢を叶えられなかった人々は新しい自己啓発本を買って、一時的でも気分を紛らわせていくのです。
夢を見ている間は幸せかもしれませんが、本当にそれで良いのでしょうか。夢見る奴隷のままで良いのでしょうか。
本当に幸せになりたいなら、現状をしっかりと把握して、自分自身の能力をきちんと見極めて行動していくべきだと思います。叶わない夢は見ない。それが本書から学んだことです。
最後に
本書では従来の西洋的価値観が否定され、イスラム的人生論が書かれています。イスラムの価値観を今まで知らなかったので、本書の内容はとても強烈でした。今まで信じていた価値観がぶっ壊されて、夢から覚めた気分がしました。
「夢は叶う」と信じて行動してみたけど、うまくいっていない私のような方に是非読んで欲しい作品です。(何度も「バカ」と書かれているので、心の弱い方はご注意ください。)