「人間関係」「仕事」「将来」などなど、世の中には簡単に答えがでない問題がたくさんあります。頭をフル回転させても、なかなか答えを導き出せないという経験をされた方も多いでしょう。
答えが簡単にでない問題を解決するためには、どうしたら良いでしょうか。一つのアプロ―チとして、地頭力(自分本来の頭の力)を鍛えるということが挙げられます。発想力、論理的思考能力などを鍛えることによって、問題の答えを導き出しやすくなるかもしれません。
『1日1問!面白いほど地頭力がつく思考実験』には地頭力を鍛える20の問いが用意されています。どれも難問で答えを導き出すには骨がかかります。問いに対しての様々な考え方も一緒に掲載されているので、それを参考にしながら読み進めていくのが良いかもしれません。
本書を読んで地頭力を鍛え、答えのない問題に挑戦してみてはいかがでしょうか?それでは、簡単ですが本書の内容に触れていきたいと思います。
地頭力を鍛える思考実験
人としての感情がないAIと恋はできるのかという問いや、監視カメラによる安全の確保とプライバシーの問題など、明確な答えをすぐには出せない問いが本書では出題されます。
そして、それぞれの問いに異なる視点の意見が載っています。例えばAIの問題であれば、「AIが人と見分けがつかなくてもそこには愛がない」という意見、「人から見て違和感がないのなら、それは人と同じ」という意見、「プログラムをAIの心として認識する」意見など、どれも一理あるなという意見です。
これらの意見を参考にして、「自分ならどう考えるか」を深めていくと、地頭力が鍛えられていきます。頭を使いますが思考を張り巡らせるのは面白いです。自分の考えを文章にしてみたり、誰かに話してみると、さらに面白いかもしれません。
自分の頭で考える
インターネットの普及によって情報が氾濫している今、単純なこと、わかりやすいことを私自身が求める傾向にあるなと考えるようになりました。テレビのコメンテーターの話を鵜呑みにしたり、Youtubeの解説動画で物事を知った気になったり、わかりやすく頭に入ってきやすいことばかりに目を向けてしまっています。難しいことを考えることが億劫になり、自分の頭で深く考えることを放棄していました。
自分の頭で考えるのは労力がいりますし、正直面倒くさいことです。テレビや新聞の受け売りで話すのは楽ですし、時間もかかりません。
しかし、それを続けているといざ正解がない問題にぶち当たったときにすごく困ると思います。テレビや新聞は答えを言ってくれないので、自分の頭で考える必要があるからです。
年を取るほど、自分の意見や問題を解決する能力が求められます。そのときに困らないように、本書で提示されるような正解が一つではない問題について自分の頭で考える癖をつけていていくことが大切です。自分の頭で考える癖をつけていけば、自ずと地頭力は鍛えられると思います。
自分の意見には理由(根拠)が必要
自分の意見を相手に伝えるときには、理由(根拠)が必要です。理由が「なんとなく」では、相手には響きません。本書に書かれているように、意見を言う時は理由もセットで必要になります。
問題に対する考え方は、人それぞれ違います。人それぞれ価値観が違うからです。ですが、きちんとした理由があれば、考え方が違う人も説得することができます。逆もしかりで、他人と意見が対立したときにその理由を理解できれば、意見を受け入れることできるでしょう。
意見の対立が起こるとき、両者はなぜその考えに至ったかの理由を省いて考えてしまいがちです。理由なく感情で対立してしまうと、両者が分かり合うのは難しいと思います。なぜ自分はその考えに至ったのか、相手はどういう理由でその考えになったのか、お互いになぜその考えに至ったのかを知ることが相互理解の第一歩です。
最後に
世の中の問題は、そう簡単に解決できないことばかりです。多くの人が関わっていたり、根本的な構造の問題だったりするので、解決に時間や労力が多くかかる場合があります。
その問題を解決するために、常日頃から自分の頭で考えて地頭力を鍛える必要があると思います。
『1日1問!面白いほど地頭力がつく思考実験』には考え方のコツが載っているので、地頭力を鍛えるには持って来いです。興味を持たれた方はチェックしてみてください!