会社員でも、フリーターでも、起業でもない 新しい働き方「しょぼい起業」
「しょぼい起業で生きていく」は新しいローリスクな起業の仕方が書かれた本です。
従来の「起業」というイメージとはまったく別の、「多額の開業資金」も、「特殊な技能」も、「綿密な事業計画」もいらない「しょぼい起業」という新しい考え方と、その方法をみなさんにお伝えしていきます。
・・・えらいてんちょう「しょぼい起業で生きていく」より
今まで起業と聞くと、ハードルが高い、すぐにはできない、難しいと感じていました。しかし「しょぼい起業」は今までの起業のあり方とは違います。「多額の開業資金」も、「特殊な技能」も、「綿密な事業計画」もいりません。ローリスクで起業できるのです。
なぜローリスクで起業できるかというと、「しょぼい起業」は生活の延長線上にある商売だからです。生活の余剰分をシェアしていくので、自分自身が食う分には困りません。
「生活の資本化」というのがキーワードになるのですが、それを中心に感想を書いていきます。
※現在(2019年5月1日)Kindle Unlimited読み放題対象です。Kindle Unlimitedは初回利用時に限り、1カ月間無料で利用できます。
えらいてんちょうとは
著者の「えらいてんちょう」についてご紹介します。「えらいてんちょう」って何者?と思われた方も多いはずです。私も本書が出るまでは知りませんでした。
えらいてんちょうは今まで、リサイクルショップ、バー、学習塾等を立ち上げています。現在は投資家、コンサルタントの活動をしています。
えらいてんちょうはyoutubeに動画を上げていて、これが面白いです。宗教団体や政治団体に取材をして、社会の闇に切り込んでいます。私はアングラに触れているものが好きなので、ついつい見てしまいました。Twitterもしていて色々な方に絡んでいます。
生活の資本化とは?
しょぼい起業の基本的な考え方のひとつ「生活の資本化」について触れていきます。読んでいて一番納得した部分でした。
「いつもやっている行為をお金に換える」という発想は「しょぼい起業」の基本的な考え方のひとつです。これを「生活の資本化」(コストの資本家)と呼びます。
・・・えらいてんちょう「しょぼい起業で生きていく」より
いつもは一人ぶんしか作っていない料理を10人分作ってしまいます。(材料費、人件費は10倍かからない)自分の食べる分とは別に余った9人分の料理を売ります。いつもしている料理でお金を生み出せるのです。
食費という、生きているだけで絶対にかかるコストを利益に換えてしまうという最強のシステムです。
・・・えらいてんちょう「しょぼい起業で生きていく」より
料理以外にも、生活を資本化できます。例えば本書で書かれていますが、「移動」を「輸送」ととらえて生活の資本化ができます。いつもの通勤、通学を商品の輸送手段にします。自宅で作った野菜や料理を持っていて、会社、学校の近くで販売します。いつもの移動が輸送に変わり、いつもの移動のついでなので輸送コストはゼロということになります。
「Uber Eats」の考え方に近いかもしれません。趣味のサイクリングのついでに料理を届けて、お金をもらうのは生活の資本化だと思います。
生活で余った分を売って資本化するので、大きなお金はかかりません。家賃が払えなくなって生活をする場がなくなる以外では、事業はつぶれません。
自分で食べる分だけ、自分で作れば生きていけます。徹底的にローリスクな起業の仕方だと言えます。
お客様をファンにする
本書を読んでいて思ったのは、えらいてんちょうのお店にはえらいてんちょうの人柄、考え方に惹かれた人が集まっているなと思いました。お店に来る内にお店のこと、えらいてんちょうのことが好きになって、お店の手伝いを無償でしてくれています。
「しょぼい起業」を継続していくためには、えらいてんちょうのようにいかに来店してくれたお客様と良い関係を作れるかが鍵になるかと思います。良い友好関係が築ければ、頼んでいなくてもお店の手伝いをしてくれるのです。
人を動かすための原動力(対価)はお金だけではないということです。簡単な話、ふだんから友好的な関係を築いていれば、「ああ、それくらいのことなら俺がやるよ」という協力者は現れます。
・・・えらいてんちょう「しょぼい起業で生きていく」より
お金以外の価値を提供できれば、お客様はお店のファンになってくれます。ファンになったお客様が反対にお金以外の価値をお店に与えてくれるのです。
これはキングコング西野さんのオンラインサロンに似ていると思いました。西野さんの考えに共感して、自分の好きなことならお金を払ってでも仕事をしたいという方がサロンに集まっています。
ともに歩んでくれる仲間を作ることが、組織を維持していくためには必要です。そのためには確固たるヴィジョンを持っていないといけないし、中心人物にカリスマ性が必要だと思いました。
まとめ
サラリーマンができないからと言って、人生は失敗ではありません。サラリーマンが嫌だったら逃げても大丈夫です。嫌なことから逃げても、働き方はたくさんあることをこの本は教えてくれています。
「あなたに見えている道だけが道ではないよ、違う方向からでも山に登れるんだよ」と提示したのが「しょぼい起業」の概念です。
・・・えらいてんちょう「しょぼい起業で生きていく」より
サラリーマン以外の働き方が本書には書かれています。道は一つではありません。選択肢はたくさんあることを改めて気づかせてくれました。
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