PS4版『黎の軌跡』をクリアしました。一応サブクエストを全てクリアしてのプレイ時間は80時間ほどでした。
クリアしての率直な感想ですが、今回の『黎の軌跡』は軌跡シリーズの新たな可能性を見せてくれた作品だと思います。表と裏どちらにも属さない裏解決屋・ヴァンの物語は、ハードな展開が随所に見られながらも、重くなりすぎないところが魅力的でした。裏解決屋メンバーの掛け合いは、ずっと見ていたくなります。
その反面、敵陣営である「アルマータ」のキャラが弱かったように感じました。凶悪な事件を何度も巻き起こす彼らですが、他のキャラクターの個性が強すぎて敵キャラとしての魅力はあまり感じられませんでした。第1作の敵キャラなので、かませ臭がするのはしょうがないのかもしれません。ただ、胸糞悪くなる敵キャラだったのは確かです。
今までの軌跡シリーズをプレイした方なら新鮮な気持ちで今作を楽しめたのではないでしょうか。個人的には、次回作もとても楽しみになりました。
今回の記事では、『黎の軌跡』クリア後の感想をネタバレありで書いています。未プレイの方は、ご注意ください!
黎の軌跡 ネタバレ感想
以後は、『黎の軌跡』のネタバレ感想をストーリー中心に書いています。未プレイの方はご注意ください!
随所に見られる重い展開
まず本作をプレイして思ったのが、今作は過去作と比べてキャラクターの死の描写が多いということです。ジャコモから始まり、アイーダ、アーロンの仲間たち、ベガスフィルムの社長、キャラハン教授、ディンゴと結構な人数のキャラがいなくなっています。
特に印象に残ったのは、アイーダとディンゴです。
西風の元メンバーであるアイーダは結構重要なキャラだと思っていたので、すぐに退場したのは驚きました。元西風であるフィーやゼノ、レオとの絡みが見られなかったのは残念です。ただ、彼女はフィーとフェリを繋げる意味で重要な役割は担っていました。
ディンゴの死とクレイユ村の消失も驚きでした。閃の軌跡だったら、爆発前に魔女たちが住人たちを転移させていて、あとでひょっこり出てくる展開だと思います。
ディンゴは黎の軌跡シリーズを通してお世話になるキャラと思っていたので、あっさり退場してしまったのは意外でした。彼もどこかで生きているのでは?とずっと思っていました。
ヴァンをはじめ仲間たちは、重い過去を背負っています。ヴァンの過去はもちろんのこと、カトルもD∴G教団絡みでヤバそうですし、リゼットがあの身体になった経緯も色々あったことが察せられます。
普段のやり取りでは見せませんが、重いバックボーンを持っているキャラクターが多いように感じました。
パーティー内に重い空気はない
重い展開が連続したり、暗い過去を持つキャラがいたりしますが、裏解決屋のパーティー内では重い空気は漂っていません。みんな割り切るところは割り切っている部分があるので、変にクヨクヨしたり、引きずったりしません。シリアスな場面でも軽口を叩き合ったりするので、プレイしてモヤモヤすることはありませんでした。
個人的には、ジュディスの存在が大きいと思いました。彼女はシリアスブレイカー的な役割を担っていて、存在するだけで場を和ませています。さすが大人気女優です。どんな時でも笑いを提供してくれるジュディスが良いアクセントになっていたと思います。
保護者ポジションのベルガルドの存在も大きいと思います。多くを語らず、後ろからどっしりと他のメンバー見守っている様子は、とても安心感がありました。彼が背中を押してくれたから、若いメンバーが自分のしたいことをできたんだと思います。
裏解決屋のメンバーは、Ⅶ組のように熱い友情で結ばれているという感じではありませんし、特務支援課のような家族のような絆で結ばれているわけでもありません。近すぎず、遠すぎない適度な距離感を保っているのが、まさに仕事仲間という風な感じで良かったです。
あと、今回はパーティー内の会話で下ネタがけっこう多いように感じました。(たぶんアーロンのせい)アーロンが下ネタを言う度に、フェリが?という表情を見せ、アニエスやカトルが過剰に反応するというシーンが何度かありました。これも今までの軌跡では、あまり見られなかった光景かなと思います。
周りが強すぎてアルマータが小物に見える
本作の敵となるのがマフィア「アルマータ」。ヤバい薬をばらまいたり、クレイユ村を壊滅させたりと軌跡史上類をないくらい極悪非道なことをしていました。そのアルマータに協力している「庭園」は、悪名高いD∴G教団と月光木馬團を合流させたものです。軌跡シリーズをプレイした方なら、アルマータがいかに激ヤバな集団かわかるのではないでしょうか。
ですが、いかんせん他に登場するキャラクターが強すぎて、凶悪な犯罪集団である彼らが小物に見えてしまいます。史上最強の猟兵と言われるカシム、実力はリィン以上と言われる白銀の剣聖・シズナ、星杯騎士団の守護騎士のセリスとリオン、「犯罪の天才」の異名を持つ蛇の使徒第四柱・《破戒》エルロイ・ハーウッド。さらに大統領であるロイ・グラムハートもまったく底を見せていません。
明らかに格上の破戒さんがオラシオンで余裕ぶっこいているのを見てしまうと、アルマータのやっていることが小さく見えてしまいました。なんだか危機感がなくなってしまいます。アルマータの凶悪さを際立たせるためには、破戒さんは今回登場しない方が良かったのではと思ってしまいました。
アルマータの幹部はキャラとしての魅力という前に、嫌悪感が先立っていました。特にメルキオルは、好感度0で生理的に受け付けないキャラでした。見た目は弱そうなのにネチネチしている感じがきつかったです。ここまで嫌いになったキャラクターは軌跡シリーズではいません。プレイヤーから嫌われるという意図で作っていたなら大成功だと思います。
クレイユ村を滅ぼし、ディンゴを亡き者としたジェラール。声が関智一さんだったので大物感はあったのですが、いまいち何をしたいのかわからないキャラでした。強大な力を持っていましたが、それはヴァンの魔核から力を得ている借り物の強さです。それを知ると一気に小物に見えてしまいました。
あと、オラシオンで決着したはずのアルマータ幹部と最終章で再度戦うところは解せませんでした。キャラの掘り下げも終わったし、これ以上戦うのは無駄では?とついつい思ってしまいました。
やっぱり影が薄くなるジンさん
空の軌跡のパーティーキャラであるジンさんがファン待望の再登場!準S級となり、なんだか見た目も渋くなりました。登場時にはその経験値の高さからヴァンを手玉に取るような行動を見せ、存在感を見せつけてくれました。
しかし、前述したとおり他のキャラクターが濃すぎるせいで、どんどん影が薄くなってしまいます。エレインやフィーみたいにパーティー内に関係のあるキャラクターがいないのでしょうがない部分があるのですが、印象にに残る場面が少なかったように感じました。ヴァルターと本気で戦うというシーンがなく消化不良です。次回作ではジンさんの活躍がもっと見たいです!
まとめ
・周りのキャラクターが強すぎて、アルマータが小物に見える
・ジンさん…
今回は『黎の軌跡』のネタバレ感想をストーリー中心に書きました。今作はダークで重い展開が髄所に見られはしますが、ストーリー全体が暗くなることはなく、裏解決屋パーティーは常に前を向いていました。パーティー内のやりとりは面白いものが多かったです。次回作でも裏解決屋の活躍をもっと見てみたいですし、ジンさんのさらなる活躍を期待したいと思います。