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自分で考えるクセをつける「クリティカル進化論」感想

クリティカル進化論

クリティカル思考は「批判」ではなく「ものごとをきちんと考え判断すること」だ

クリティカルを直訳すると「重大な、致命的な」もしくは「批評的、批判的」となります。しかし、本書で説明しているクリティカル思考は「ものごとをきちんと考え判断すること」と紹介しています。

逆にクリティカル思考でない「非クリティカル思考」

・じっくり観察せず「こうに違いない」と決めつけてしまう思考
・ものごとを一面的・部分的にしかとらえない思考
・十分に情報を集めず、すぐに結論を出してしまおうとする思考
・感情や主観で決めてしまおうとする思考
・一度決めるとなかなか自分の考え方を変えようとしない思考
・疑うことなく、他人から言われたことにすぐ同調してしまう思考

になります。
みなさんも一度は上記の考えかたで判断を下したことがあると思います。私は日常茶飯事でした(笑)

本書の目的は非クリティカル思考ではなく、クリティカル思考ができるクリティカルシンカーになろうというものです。

「クリティカル進化論 『OL進化論』で学ぶ思考の技法」とは?

この本は心理学者の道田泰司さんと宮元博章さんの共著です。「クリティカルシンキング入門編・実践編」の2冊を書かれています。

今回のサブタイトルに書かれている「OL進化論」ですが、実際にOL進化論の漫画が各章に載っています。4コマ漫画を例に、クリティカル思考について考えていくという形式をとっています。

4コマ漫画が導入にあるので非常に入りやすいし、わかりやすいです。漫画の登場人物と同じように、私も思い込みや、よく考えずに物事を判断してしまうことがあるなと感じました。クリティカル思考導入にはピッタリの本ではないでしょうか。

ちなみに著書の道田さんは「OL進化論」の大ファンだそうです。

クリティカル思考とはどういう考えか

まず大前提として、事実と意見の区別をすることが必要です。

事実=見たり聞いたりしたこと。証拠があげられること。
意見=考えたこと。解釈や推論の結果出てきたこと。

この事実と意見を混合してしまうことは多々あります。

例えば、「ラーメンを食べなくなったからやせた」と思ったとしても、「ラーメンを食べなくなった」おかげで「やせた」とは限りません。他にも、最近運動するようになったから、仕事のストレスが大きいから等理由はたくさん考えられます。

「ラーメンを食べなくなったからやせた」は「意見」であり、「事実」ではないのです。これを間違って、事実として「ラーメンを食べなくなったおかげだ」と決めつけてしまうのが「非クリティカル思考」ということになります。

では、クリティカル思考になるにはどうしたら良いのでしょうか。
それは、「意見」「事実」をそれぞれ疑うところから始めます。

事実の疑い方、意見の疑い方

その前にまず意見には2種類あることを知っていないといけないです。

・好みの主張 「(理由はないけど)こうした方が良い」「私はこれが好き」という意見。
・議論 理由もって主張すること 議論=「理由→推論→結論」

「好みの主張」はその人の好みなので、クリティカルに考えなくてもよいものになります。
反対に、「議論」は、きちんと理由があって結論があるものなので、クリティカルに考える必要があるものになります。

この「議論」の中の「推論」を疑うことと、「事実」を疑うことがクリティカル思考になります。

①推論の仕方は妥当か。考え方を疑う
②根拠としての「事実」は正しいか。事実を疑う。

推論の仕方は妥当か。考え方を疑う

①は考え方のプロセスを疑うということ。本当にその理由で結論が導き出されるのかを考えるということになります。

例えば、「体型が太っている人は必ず仕事が出来ない」という議論があるとします。

結論・・・仕事ができない
理由・・・太っている

この考え方は整合性があるでしょうか。クリティカル思考では、この場合、反証例がないかを確認します。「体型が太っていても仕事は出来る」人がいるかを確認するのです。身の回りの人を想像してみてください。あてはまる例は必ずあるはずです。

1つでも反証例があれば「体型が太っている人は必ず仕事が出来ない」という議論は間違っていることになります。

他にも、多くのクリティカルな推論の仕方が本書には書かれています。習得できれば、多くの議論に対して異議をとなえることができるでしょう。

根拠としての「事実」は正しいか。事実を疑う。

②は正しいものの見方で事実、根拠を疑うということです。

事実と思い込んでいたことは実際には違っているということは多々あると思います。

少年ジャンプの発売日は毎週月曜だと思っていたら、月曜日が祝日で前週の土曜日にすでに発売されていたとか。
お医者さんが宣伝していて、お肌に良いとされていたサプリが、実際にはまったく効果がなかったとか。

という風な経験は誰しもあると思います。

こうならないようにはどうするかというと、

・物事を見聞きした段階で、自分の過去や経験に照らして解釈してしまうことに注意する
・見聞きした特定の事実だけを一般化してしまい、他の事実に当てはめてないか注意する

この2点をまずは、考えてみましょう。自分の思い込みで事実を歪曲しないように心がけることが重要です。

その他にも、事実に対しての考え方が本書には載っています。常に疑問を持つということは大切だと教えられます。

クリティカルシンカーへの道

ここでは紹介しきれませんでしたが、本書には様々なクリティカル思考の考え方が4コマ漫画を通して紹介されています。

私自身も常日頃から自分の考えの浅さを嘆いたり、何が問題なのかを分からなかったり、尊敬している人の意見を鵜呑みにしてしまったりと非クリティカル思考でいることが多いです。

同じように、自分の考え方の幅で悩んでいるかたは多いと思います。もっと深く考えることができたら、多面的にものを考えることが出来たらと。

「クリティカル進化論」を読んで、自分の今までの物事にたいする考え方は本当に浅かったと思い知らされました。考えているようで何も考えていない時がありました。

物事を正面からではなく、上、下、右、左、斜め、裏側と何方向からでも考えることが出来たとき真の「クリティカルシンカー」になれます。

興味を持たれた方は是非、一度手にとってみてください。私と一緒にクリティカルシンカーへの道を歩みましょう!

クリティカル進化論
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