人間関係、仕事、プライベートなどなど、様々な場面で常に悩みや不安は尽きないものです。どうにか解決したいと思っても、解決することが出来ずにウジウジ悩んでしまうという経験はないでしょうか?私も嫌な出来事をなかなか忘れられず、そのことばかり考えてしまい、どんどん暗い気持ちになってしまうことが多々ありました。
『心理カウンセラーYouTuberが教える1秒で不安なくなる大百科 あらゆる「悩み・ストレス・疲れ」を吹き飛ばすリスト』はそんな悩みに対して心理学的アプローチで解決策を提示している作品です。本書では、100の悩みを解決する方法が簡潔に書かれています。
悩みの本質である「こうしなきゃ」という思いこみを手放す方法が心理学的に解説されていました。他人の眼を気にせず「自分らしく生きなさい」という心構えの提示だけでなく、「自分らしく生きることのメリット」が解説されています。心構えの提示だけでは心は動いてくれませんが、メリットを提示されると試してみようという気持ちになりました。
1項目2ページと簡潔にまとめられているので、手軽に悩みの解決方法を知りたいという方や普段本を読まないという方におすすめです。自分の悩みに近い項目だけ読んでも、心が楽になると思います。
それでは、本書の内容をご紹介していきます。
著者の「るろうに」先生について
るろうに先生は臨床心理士、公認心理師で、YouTubeチャンネル『心理カウンセラー るろうに』を運営しています。
YouTuber と聞いて不安を覚える方もいるかもしれませんが、るろうに先生は数多くの方をカウンセリングしてきた実績があります。
大学院修了後、国立医療機関の精神科や保健センターで延べ3000件以上のカウンセリングを中心とするメンタルヘルスの支援を実施。
…『心理カウンセラーYouTuberが教える1秒で不安なくなる大百科』より引用
YouTubeの動画を見てもらえば分かると思うのですが、るろうに先生の落ち着いた話し方は安心感を与えてくれます。それぞれの悩みに対する考え方をわかりやすく解説してくれているので、動画を是非見て欲しいです。
悩みの正体
るろうに先生は、悩みを相談に来る人には「ある一つの共通点」があると話します。
それは世の中の常識や他人から言われたことに影響されて生まれた「こうしなきゃ」という思い込みに縛られて、自分らしく生きていけていないということです。
…『心理カウンセラーYouTuberが教える1秒で不安なくなる大百科』より引用
「こうしなきゃ」という思いこみで、周りに意見を合わせ、自分よりも他人を優先して、自分の意見を押し殺していくうちにストレスを溜め込んでしまう、そんな経験はないでしょうか?
「飲み会は誘われたら絶対行くべき」「上司からの仕事の依頼は断ってはいけない」など、私も「こうしなきゃ」と考えていたことがたくさんあり、嫌な気持ちを我慢しながら行動することもありました。みんなもやっていることだからと自分に言い聞かせていたと思います。
しかし、「こうしなきゃ」という思いこみは実は全て妄想だと本書では書かれています。
飲み会に行かないと会社の人とうまくやっていけないと思うかもしれませんが、仕事をきちんとこなしていれば仕事上でのコミュニケーションは問題なくできます。
上司の仕事の依頼を1回断ったとしても、それで昇進が遅れるというわけではありません。逆に無理をして依頼を受けた場合、やっつけ仕事になったり、ミスをしてしまったりして、評価を落とす可能性があります。
私は「こうしなきゃ」という思いに囚われて、無理をしていたなと思いました。他人が作った価値観に縛られて、自分の価値基準で行動するのをためらっていたのです。自分を押し殺しすぎて、ストレスを貯めている側面がありました。
しかし。「こうしなきゃ」を守らなくても、デメリットはあまりないということを知れました。実は自分のしたいようにすることの方が、精神的なメリットは多いです。
本書には、この他にも「こうしなきゃ」という思いこみを指摘して、「こうしなきゃ」を捨てたときのメリットを教えてくれています。あなたにも何かしらの「こうしなきゃ」に囚われていることがきっとあるはずです。
本書を読んで思ったこと
自分が今悩んでいることって、思いこみや妄想が原因のものが多いなと感じます。自分が他人にどう思われているかを勝手に妄想したり、他人に言われたことを深読みしすぎたり、自分で傷口を広げていました。
一言でいうと「考えすぎ」でした。他人が思っていることはわかりませんし、他人の考えはコントールできません。いくら自分が他人の考えていることを想像しても、それは自分の頭で考えていることです。自分の考えであって、他人の考えではありません。
だから、自分自身に振り回されて、暗い気持ちになるのはバカらしいと思いました。
また、皆がやっているから、皆が言っているから正しいというわけではありません。今の常識も十年後には非常識になる場合もあります。
他人の価値観を基準にして生きてると追い込まれていくので、自分の価値観で判断していくのが大切なんだと思います。自分をしっかり持っていれば、他人にどう言われようが揺らぐことはありません。
本書を読んで多少自分のやりたいようにやっても、他人はそれほど気にしてないということがわかりました。そのことで、かなり気持ちが楽になったと思います。
ただ、自分のやりたいようにやるという思いが暴走すると、他人に迷惑をかける恐れがあるので、ほどほどにするということも忘れてはなりません。ストレスを貯めないことも大事ですが、独りよがりになりすぎると新たな火種を産む可能性があります。社会の中で他者とのバランスをうまくとりながら、自分の色を出していくと良いと思います。
最後に
100個の項目を最初から読んでも、気になるところだけ読んでも、気持ちが軽くなると思います。悩みで頭の中が堂々巡りをしているという方は、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
本書の雰囲気を知りたい方は、るろうに先生のYouTubeチャンネルをチェックすると良いかもしれません。様々な悩みを解決する動画をアップしているので、是非ご覧になってみてください!