- アメリカが中国のHUAWEIに制裁を開始した。
- 中国船が尖閣諸島周辺で領海侵犯。
- 沖縄の米軍基地問題。
ニュースでこれらの出来事を耳にする機会がありましたが、なぜ問題が起こっているのかをいまいち理解できないでいました。
- なぜ中国とアメリカは対立しているのか?
- なぜ中国は尖閣諸島周辺で領海侵犯を続けるのか?
- 沖縄の米軍基地の重要性とは?
これらの疑問に地政学の観点から解説しているのが『サクッとわかるビジネス教養 地政学』です。本書を読めば、世界情勢やその中での日本の立ち位置がわかります。
地政学と聞くと難しい内容を想像するかもしれませんが、ページの半分以上はイラストで占められているので、内容が頭に入ってきやすいです。
アメリカの大統領選挙、中国とアメリカの対立、世界に広がる新型コロナウィルスなど、世界情勢が急激に変化している今、地政学を学んでみてはいかがでしょうか?
地政学の観点から国際政治を見る
では、地政学とは何なのでしょう。研究者によってさまざまな答えがあると思いますが、私は「国際政治を冷酷に見る視点やアプロ―チ」と考えています。
…「サクッとわかるビジネス教養 地政学」
世界の指導者たちが何を考えて外交をしているのか、地政学を学ぶとそれがわかってきます。当たり前ですが好き、嫌いという感情ではなく、メリット、デメリットを考えて動いているのです。
自国に優位な状態で、相手国をいかに効率良くコントロールできるのか。そのためには、どの要所を押さえれば良いのか。それを地理的な観点から見ていくのが地政学です。
それを踏まえると、なぜ北方領土が返還されないのか、沖縄の米軍基地の重要性などの日本の外交問題の課題が見えてきます。
私個人の感情では、北方領土は返還されて欲しいですし、米軍基地があることによる沖縄の負担は少しでも軽減されて欲しいと思います。
ですが、本書を読むとロシアにとって北方領土は重要拠点であり、日本よりもロシア側によりメリットの多い場所ということ、沖縄米軍基地はアメリカにとっては「完璧な拠点」で、簡単に手放すことができない場所ということがわかりました。
北方領土を返還してもらうには、相応の対価が必要ということ。米軍基地を沖縄県外ではなく沖縄にあることがアメリカにとっては重要であること。違った角度から物事を見ると、日本の外交問題への考え方も変わってきます。
感情ではなく論理で
テレビやネットニュースの表面だけを見ているだけでは感情的になってしまい、物事の本質を捉えられないのではと私は思います。特に最近のSNSを見ると、感情的な書き込みが増えてきていると感じます。今起きている問題を誰か個人のせいにして、集中砲火を浴びせることが日常茶飯事で起きています。
ニュースを見たときに、感情的になる前に「なぜ?」と物事を深堀するべきです。誰かを責めるのは簡単ですが、それでは問題の解決には繋がりません。「なぜ?」を繰り返して問題の本質を探り、物事を理解してから発信をしていくことが大切です。
感情的になる前に、本書のように事象を深堀している本を手に取ってみてはいかがでしょうか。新しい発見があるはずです。