子供も読める考える力をつけるための入門書
問題解決とは、ひらたくいえば、「現状を正確に理解し」「問題の原因を見極め」「効果的な打ち手まで考え抜き」「実行する」ことです。
…渡辺健介「世界一やさしい問題解決の授業」より
「世界一やさしい問題解決の授業」は書名通りに、問題解決の思考方法がわかりやすく書かれています。ページ数は117ページと少ないですが、本書を読んで得られる情報の価値は大きいです。
イラスト、図解が万遍なく入っていますので、ストレスなく思考法を理解できます。考える力をつけたい人にとっては最適な入門書です。
本書を読んで「考え抜く技術」「考え抜き、行動をする癖」を身につけましょう。
考え抜く癖をつける
「この問題は難しい」「解決する手段がないから、しょうがない」「あの人のせいで失敗した」「本気を出せば解決できるだろう」。このように考えることをやめて、思考停止状態に陥ったことはないでしょうか。問題の先送りにしたり、問題をなかったことにしたりしていませんか。
私は何回もありました。現状維持に甘んじて、不都合を我慢していました。何もできない自分に落ち込むことも多かったです。しかし本書を読んで、前向きに問題に取り組めるようになりました。
「世界一やさしい問題解決の授業」では思考停止するのではなくて、問題をどうしたら解決できるのか「考え抜く癖」をつけましょうと書かれています。
自分で考えて、行動に移せる癖をつけることができれば、大きな成長につながります。行動した結果が成功でも、失敗でも、結果を分析して次に活かせるからです。
「考え抜く癖」は小さな習慣かもしれませんが、継続できれば大きな力になります。
ギャンブルのように一発逆転で能力を得ることは難しいです。リスクがありますし、失敗して何も得られない可能性もあります。小さな習慣をコツコツ続けることが成功への近道です。
問題解決の思考方法
本書で書かれている問題解決の思考方法をご紹介します。
①原因を見極める
1A 原因としてありえるものを洗い出す
1B 原因の仮設を立てる
1C どんな分析をするか考え、情報を集める
1D 分析をする
②打ち手を考える
2A 打ち手のアイディアを幅広く洗い出す
2B 最適な打ち手を選択する
2C 実行プランを作成する…渡辺健介「世界一やさしい問題解決の授業」より
重要だと思ったのは最初の「原因としてありえるものを洗い出す」です。病気でも症状を分析して、原因をつきとめないと有効な治療法がわかりません。
問題の原因は一つだけではなく、複数の場合もあります。原因は「これしかない」と決めつけるのではなく、問題を多面的にみて原因を洗い出していきたいです。
「分析する」ことも大事です。原因を具体的な数値に落としこむことで、客観的に情報をとらえることができて、原因が明確になります。原因を明確にすることによって、有効な打ち手が見えてきます。
また問題解決の計画を、実行に移すことも重要です。いくら考え抜いて問題解決の手段を見つけても、実行に移さないと意味がありません。計画だけで終わりにしないで、必ず実行に移しましょう。
人間関係でも同じことが言えるのではないかと思います。思っているだけでは、相手に自分の気持ちは伝わりません。思っていることを言葉にして相手に伝えていきたいです。
まとめ
問題解決の思考方法をご紹介しました。「世界一やさしい問題解決の授業」には目標設定のための思考方法も書いてあります。目標設定の際の参考になります。
私が本書と出会ったのは約2年前です。自分の将来の問題を解決したいと思い、購入しました。読んだときに、もっと早く出会いたかったと思いました。
本書を読んで「考える癖」がつきました。今まで問題にぶち当たったときに考えずにあきらめることが多かったのですが、今では問題に対して前向きに取り組むことができています。
117ページで人生が変わりました。考える力をつけたい人におすすめの1冊です。