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なぜブックオフ渋谷店は閉店したのか

中古本の市場が縮小する中で、次の1手を繰り出す

ブックオフ渋谷店が2018年7月22日に閉店しました。最後には店内の商品が30円均一という破格のセールをおこなっていました。私は閉店1週間前に店舗に立ち寄ったのですが、新商品の補充をしておらず棚はスカスカでした。いつも本棚には本が一杯で賑わっていた姿を見ていただけに、何だか寂しい気持ちになりました。

渋谷店は都内のブックオフの中では最大級のお店です。フロアは地下のアパレルも合わせると4フロアあり、ビジネス書、小説、コミックの在庫がたくさんあり、ゲーム、CD、DVDの在庫も沢山ありました。平日でも多くのお客さんが店舗にいたので、売り上げも良かったのでは?と思います。

なぜブックオフ渋谷店は閉店してしまったのでしょうか?私なりに考えてみました。

ブックオフ渋谷店の閉店理由

ブックオフ渋谷店の閉店理由を考えていきます。大きな理由は以下の2点だと私は思います。

中古本市場の縮小

出版不況がささやかれているなか、書籍の売り上げは年々減っています。2017年の書籍・雑誌販売額が前年比7%減の約1兆3700億円でした。(出版科学研究所調べ)書籍の売り上げが減っている中、中古本自体の売り上げも減少しています。今年のブックオフの月別の書籍の売り上げは前年比を下回ってします。7月の売り上げは前年比95.9%でした(ブックオフホームパージ 平成30年7月 月次の売上状況について)

このデータから見るに、ブックオフが主力として取り扱っていた中古本の売り上げが落ちていることがうかがえます。

ブックオフ離れ

「本を売るならブックオフ」のキャッチコピーがあるように、今まで本を売るなら、まずブックオフが第一候補に挙げられていました。しかし、インターネットでの売買が身近になるにつれて、本を売る選択肢が増えています。「ヤフオク」「メルカリ」が誕生して、個人同士で本の売り買いが出来るようになりました。

今まではブックオフに持っていくと定価1500円の本は、高くても200円くらいまでしか値段はつきませんでした。ですが、ネットでの売買ならば、物によっては1000円で売れます。ここまで価格差があると、ブックオフに本を売る人が減ってしまうのも無理がありません。今までブックオフに本を売りに来ていた人が来なくなってしまうと、仕入れが減り、ブックオフの商品ラインナップは悪くなってしまいます。

他の店舗から入庫をしていたと思いますが、駅から離れていて、周りに住宅街がない渋谷店自体はそこまで買取が多い店舗ではなかったと思います。仕入れが少なくなることでジリ貧状態に陥っていったのではないしょうか。

ブックオフの新しい施策

今までの主力だった中古本の売り上げ減少し、本の売り先がブックオフ以外にも増えています。今までのやり方では、ブックオフの売上は落ちる一方です。これから、ブックオフが復活するには、主力だった中古本に変わる商材を見つけなければいけないと思います。

ブックオフは仕入れ強化のために、新しく買取専門店を出店しています。中目黒、恵比寿、下北沢等にオープンしています。都内の一等地に小型の買取専門店を構えることで、良質な商品を仕入れようとしています。仕入れた商品は他店舗に送って、店舗の商品ラインナップを強化しています。

買取の間口を広げることで仕入れを増やして、ブックオフ全体の商品ラインナップを強化できれば売り上げは伸びていくでしょう。買取を通じて、新しいブックオフのファンを作れるかが重要だと思います。

※2018年9月21日にブックオフの古着、雑貨専門店「BINGO 渋谷モディ店」がオープンしました。

まとめ

中古本市場の縮小、ブックオフ離れが起こっている
買取の窓口を広げて、中古本に変わる主力商材を見つける必要がある

ブックオフ渋谷店は閉店してしまいましたが、下北沢に新しい店舗ができました。ブックオフの新しい施策に期待したいと思います。

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