『リコリス・リコイル Ordinary days』は、大人気アニメ『リコリス・リコイル』のスピンオフ小説です。原案者のアサウラ先生が全編執筆し、キャラクターデザインのいみぎむる先生が表紙、挿絵のイラストを担当しています。
アニメでは描かれなかった喫茶リコリコの日常が描かれていて、『リコリス・リコイル』のことがもっと好きになりました。たきなが千束へのどういう思いを抱いているのか、たきなの内面が描写されているところが素晴らしかったです。ちさたきの絡みが見たい方は大満足できるのではないでしょうか。
実際にどんな話が描かれているのか？本編のネタバレがあるのか？など疑問を持つ方もいらっしゃると思いますので、簡単な各話のあらすじやネタバレに配慮した作品の感想を書いていきたいと思います。
各話の簡単なあらすじ
本作品は5つの短編が収録されています。それぞれの作品は独立していますが繋がりはあって、1つの作品としても読むことが出来ます。それでは、簡単に各話のあらすじを紹介していきます。
『閉じ行く人生にスイーツを』
早期リタイアし、人生の余暇を持て余していた55歳の土井は、いつしか喫茶リコリコの常連となります。たきなは、土井が毎回カウンターの端で暗い顔でコーヒーを飲んでいるのを気にしていました。それを知った千束はたきなが土井に恋をしているのだと思い、たきなの恋愛応援をするのですが…。
『ガンファイトとコーヒーと千束の赤いアレ』
裏のお仕事のお話です。千束の戦い方や銃について詳しく描かれています。
違法薬物を保管する犯罪集団のアジトで、全身を防弾装備で固めた傭兵団のリーダー・ブルドッグと対峙する千束とたきな。通路でフルオートマシンガンを構えるブルドックに2人はどう立ち向かうのか！？
『Takina’s cooking』
たきなが作るまかないのお話です。読んでいるとお腹が減ってきます。
効率重視のたきなが、まかないでプロティンを皆にふるまいます。以前はまかないで手の込んだ料理を作っていたたきなですが、ミズキに注意され極端な時短料理に作り出したです。千束はたきなにちょうどよいまかないを作ってもらうため、たきなを寿司屋へと連れて行くのでした。
『リコリコ・オブ・ザ・デッド』
まさかのゾンビもの。
喫茶リコリコで寝ていた千束とたきなが目を覚ますと、身体が腐り、異臭を放つゾンビが来店してきました。興奮する千束と冷静なたきな。ゾンビ・パンデミックが起こった世界で、千束とたきなのサバイバルが始まります！
『ご注文は？』
他の4作品とは少し毛色が違い、リコリコの常連客の1人である中学生・カナのお話になります。学校がありそうな時間帯にも、セーラー服を着て喫茶リコリコを訪れるカナ。彼女はリコリコメンバーに言えない秘密を抱えていたのでした…。
本編のネタバレはあるのか？
本編の核心に迫るネタバレはありません。アニメを3話まで見ていれば内容についていけると思いますので、アニメを最新話まで見ていなくても大丈夫です。ただアニメを最新話まで見ていると、セリフの捉え方が変わってくると思います。
あと今回のお話は喫茶リコリコのメンバー、特に千束とたきなが中心となります。DAのフキやさくらは登場しないので、ファンの方はご注意ください。（フキのちょっとしたエピソードは描かれています）
必読のたきなの内面描写
私が本作で特に印象に残ったのは、たきなが千束に対してどういう感情を抱いているのか描写されるところです。『Takina’s cooking』『リコリコ・オブ・ザ・デッド』の2作品に関しては、たきな視点で描かれている箇所があり、アニメではわからないたきなの内面を知ることができます。
『Takina’s cooking』では、アニメ第3話で描かれたDA本部の噴水前での出来事以降、たきなは千束にどういう感情を抱いているのかがわかります。千束の影響で、たきなの心情が確実に変化しているのが見てとれて尊い気持ちになりました。
『リコリコ・オブ・ザ・デッド』では、より濃厚なちさたきが描かれており、千束とたきなの絡みに期待している方は大満足できるのはないでしょうか。内容もさることながら、いみぎむる先生が描いた2枚の挿絵の破壊呂が抜群！ちさたき成分に飢えている方は、是非その目で見て欲しいです！
まとめ
・本編の核心に迫るネタバレはない
・たきなが千束へ抱いている想いがわかる
『リコリス・リコイル Ordinary days』は、アニメ『『リコリス・リコイル』が好きな方なら必読です。アニメ通りのにぎやかなリコリコメンバーのやりとりを楽しめ、アニメでは描かれない日常を知ることができるので、より『リコリコ』の世界にハマっていけます。是非、興味のある方はお手にとってみてください！
