『[映] アムリタ』から順番に作品を読めば、野崎まどワールドを堪能できます
野崎まど先生の『[映] アムリタ』、『舞面真面とお面の女』、『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』、『小説家の作り方』、『パーフェクトフレンド』、『2』の6作品をご紹介していきます。
1つ1つの作品は独立していますが、ストーリーは『2』で繋がるので、6作品で1つの作品とも言えます。野崎まどワールドを堪能したい方は、『[映] アムリタ』から順番に読むことをおすすめします。必ず『2』以外の作品を全て読んでから、『2』を読んでください。『2』の楽しさが倍増しますから。
それでは各作品を紹介していきます。
[映] アムリタ
「第16回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞」を受賞した作品です。
この話をすごく簡単に言うと、芸大生が映画を撮るお話です。これだけ聞くと普通の話に聞こえますが、映画を撮る監督「最原最早」がヤバいです。天才と狂気は紙一重という言葉を体現する作品だと思います。
読書で背筋が凍ったのは、この作品が初めてです。それほどの衝撃的な展開が待っています。始まりにして、最恐の物語です。
舞面真面とお面の女
『[映] アムリタ』に比べると、オカルト色が強くなった作品です。ジャンルは怪奇ミステリーだと思います。とは言っても話は軽いので、サクサク読める作品です。
遺言の謎を解明していくストーリーです。謎解き要素の多いストーリーの中で、狐のお面をかぶった少女・みさきが登場します。みさきもアムリタの最早とはベクトルは違いますが、ヤバいです。
アムリタとはテイストは違いますが、読んでいて楽しい作品だと思います。
死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~
学園ミステリーです。野崎先生の作品全てに言えることですが、キャラクター同士の掛け合いがおもしろくて引き込まれます。
「死なない生徒」の存在が完全にオカルト的かと思えば、しっかりとした設定があります。テーマが哲学的で、他の作品とは違った面白さがある作品です。
小説家の作り方
タイトルの通り創作に関してのお話ですが、SFなお話でもあります。私は6作品の中では、この作品が一番好きです。
主人公の物実は作者を反映したキャラクターみたいで、メタ視点な物語がおもしろいです。小説を書く大変さ、楽しさを学べるので、小説家入門にも良いかもしれません。
ちなみに、ちょっとイタい中二病キャラも登場します(笑)作品の空気を良い感じに、ぶち壊してくれます。
パーフェクトフレンド
主人公はまさかの女子小学生です。他の作品とはテイストが違い、小学生のほのぼのした会話が続きます。児童書の『ズッコケ三人組』を読んでいる気分になりますが、元気いっぱい、さわやかには終わりません。重い展開もあって、読み応えがある作品です。ある意味では、この作品が一番ファンタジーしているかもしれません。
不思議なクライマックスには謎が残ります。その謎は『2』で明かされるので、ここまできたら是非『2』を読んでください。
2
最後の『2』には、今まで紹介した5作品のキャラクターが登場します(一部出演していないキャラクターもいます)。そして、この作品で他の5作品のストーリーが、全て繋がります。5作品を読んでいれば、『2』の面白さは倍増です。
終わりにして、始まりの物語である『2』は、前の5作品を読んでからご覧ください。
最後に
6作品を読むのは大変と思われるかもしれませんが、『2』以外の作品は200ページほどなので読むのにあまり時間はかかりません。『2』は約500ページと長編ですが、テンポ良く物語が進むのでサクサク読めると思います。是非『[映] アムリタ』から順番に読んでみてください。
野崎まど先生の『HELLO WORLD』の感想記事も上げています。こちらも是非ご覧ください。ちなみに『HELLO WORLD』は9月20日にアニメ映画が公開されます。