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「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」感想

既に哲学者が25の人生の悩みの答えを出している

「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」は身近な悩みから、哲学者、宗教家の思想に触れられる本です。自分事として哲学者の思想に触れられるので、難解な思想を簡単にとらえることができます。

過去の哲学者は、昔から悩まれ続けられた問題に解決方法を見出しています。哲学者の思想を学ぶことで、悩みを解決するヒントを得ることができるでしょう。


 誰もが抱える悩みに答える叡智を求めて、哲学者たちが格闘した思索の跡をたどっておくことに、意味がないはずがありません。これからあなたが出会う悩みと向き合い、乗りこえてゆくにあたって、ここで学んだ哲学は必ずや生きてくるものです。

・・・小林昌平「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」より

人生の悩みを解決する自己啓発の本であり、哲学の入門書でもあります。私は本書を読むことで哲学に興味が出てきました。生きる上で哲学を知りたい方、今までとは違うアプローチで悩みを解決したい方に是非読んでもらいたい1冊になります。

どのような悩みにどの哲学者が答えているのか(目次紹介)

本書ではどのような悩みに対して、どの哲学者が答えているのかを目次を引用して紹介します。

仕事
「将来、食べていけるか不安」 アリストテレス
「忙しい。時間がない」 アンリ・ベルクソン
「お金持ちになりたい」 マックス・ウェーバー
「やりたいことはあるが、行動に移す勇気がない」 ルネ・デカルト
「会社を辞めたいが辞められない」 ジル・ドゥルーズ

自意識・劣等感
「緊張してしまう」 ゴータマ・シッダールタ(ブッダ)
「自分の顔が醜い」 ジャン= ポール・サルトル
「思い出したくない過去をフラッシュバックする」 フリードリヒ・ニーチェ
「自分を他人と比べて落ちこんでしまう」ミハイ・チクセントミハイ
「他人から認められたい。チヤホヤされたい」 ジャック・ラカン
「ダイエットが続かない」 ジョン・スチュアート・ミル
「常に漠然とした不安に襲われている」 トマス・ホッブズ
「人の目が気になる」 ミシェル・フーコー

人間関係
「友人から下に見られている」 アルフレッド・アドラー
「嫌いな上司がいる。上司とうまくいっていない」 バールーフ・デ・スピノザ
「家族が憎い」 ハンナ・アーレント

恋愛・結婚
「恋人や妻(夫)とけんかが絶えない」 ゲオルク・W・F・ヘーゲル
「不倫がやめられない」 イマヌエル・カント 【別解】親鸞 
「大切な人を失った」 ジークムント・フロイト

人生
「やりたいことがない。毎日が楽しくない」 道元
「人生の選択に迫られている」 ダニエル・カーネマン
「夜、孤独を感じる」 アルトゥール・ショーペンハウアー

死・病気
「死ぬのが怖い」 ソクラテス
「人生がつらい」 マルティン・ハイデガー
「重い病気にかかっている」 ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン

・・・小林昌平「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」より

以上が本書で紹介されている悩みと哲学者です。1つの悩みに対して、1人の哲学者の思想、答えが書かれています。「不倫がやめられない」のみカントの他に親鸞の答えも用意されています。

誰もが悩んだ悩み、一度は聞いたことのある哲学者の名前が並んでいると思います。

「お金持ちになりたい」⇒マックス・ウェーバーの答え

私が印象に残った考えの一つは、「お金持ちになりたい」のマックス・ウェーバーの答えです。

資本主義の世の中において、「お金」について考える機会は多いです。お金を得るためには、お金に執着するべきと思っていましたが、ウェーバーの考えは違いました。


「お金という富への執着を捨て、ストイックに働いた人が結果としてお金持ちになった」と ウェーバーはいうのです。

・・・小林昌平「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」より

ウェーバーはどうして、ストイックに働いた方がお金持ちになれると思ったのでしょうか。

予定説

ウェーバーが注目したのはキリスト教のカトリックの人々よりも、プロテスタントの人々の方が裕福であるというデータです。これはプロテスタントの「予定説」という思想のためと考えました。


「予定説」では、善人がよいおこないを積めば天国に行けるともかぎらない。悪い人が悪い おこないをし続けたって地獄に行くともかぎりません。神は最初から、救うべき人間を、独断で、一方的に決めていると考えます。

・・・小林昌平「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」より

誰が神に救われるかわからない状態は人々の間に、不安と緊張を生みました。救われるか、救われないかわからないからこそ、人々は必死になり神に定められた「天職」を全うしたのです。救われる確信を得るために、神から与えられた仕事を全力で行いました。

そして天職に勤めた結果、お金を手に入れることは良いこととされました。

自分に向いている仕事(天職)でたゆまぬ努力をし、人々全体の生活のためになった結果としてお金が儲かり、富裕になることは、天職を与えたもうた神の栄光を証明することになるからよしとされたのです。

・・・小林昌平「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」より


現代の私達に置き換えると

「予定説」によって全力で天職に勤めた結果、お金を得たプロテスタントの人々。彼らと同じようになるにはどうしたら良いでしょうか。本書では以下のように書かれています。

勤勉になれる動機を、お金以外のところに見つけ出したのがウェーバーの発見でした。だとすればそのエンジンは「予定説」のような「大きな物語」のかわりに、ひとりひとりの中に ある、それまでの人生からみちびかれる「個人的な物語」になるのではないでしょうか。

・・・小林昌平「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」より

人生からみちびかれる「個人的な物語」を働く動機にしようと書かれています。「個人的な物語」は働く上でのやりがいや楽しいことをメタ化したものだと思います。人から感謝されると嬉しいという気持ちや、他者を見返してやろうという気持ち等、人それぞれです。

予定説に変わる個人的な物語を見つけることができれば、働く上で大きなモチベーションになるでしょう。

まとめ

 
「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」は自己啓発本であり哲学入門書
お金持ちになりたいなら、お金には執着しない
働く動機を「個人的な物語」としよう

「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」で身近な悩みの解決方法を、過去の哲学者の思想から得ることができます。本書で紹介されている哲学者の思想は、現代の思想の元になっているものです。

思想の源泉を知ることで、これからの人生を有意義にすごすことができます。悩みの解決本として、哲学の入門書として是非読んでみてください。

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