約5年ぶりに家庭用ゲーム機から発売されたテイルズ新作『テイルズ オブ アライズ』。発売を待ちに待ったファンの方は大勢いるのではないでしょうか。
ただ購入するのを迷っている方、レビュー待ちの方も中にはいらっしゃると思います。数多くの名作を生み出してきたテイルズシリーズですが、中には「迷作」と呼ばれる作品もチラホラ…。せっかく購入したのにガッカリしたくはないですよね。
私も購入するかはかなり迷いましたが、体験版をプレイして購入に至りました。アクションはスピード感があり歯ごたえがありましたし、仲間同士の掛け合いの雰囲気が良かったからです。新しさと懐かしさが同居していて、かなり気合が入った作品だと思いました。まだ体験版をプレイされていない方は、プレイをおすすめします。
しかし、体験版だけではゲームの雰囲気全ては分からないと思いますので、ゲーム序盤「ウルベゼク」クリアまでプレイした感想をお伝えしていきます。購入を迷われている方は是非ご参考ください。
それでは、ストーリー、戦闘、グラフィック、システム、その他の5項目に分けて、ご紹介していきます。
ストーリー
序盤から気になる伏線が散りばめられており、先が読めない&気になるストーリーになっています。ダナ人とレナ人の二項対立の構造はシンプルで分かりやすく、専門用語も多く登場しますがシナリオに上手く組み込んでいるので苦になりません。ストーリーのテンポも早すぎず、遅すぎずでちょうど良いと感じました。
主人公が奴隷から這い上がっていく展開は、どん底に突き落とされてからのスタートとなる『テイルズ オブ ベルセリア』と少し似ているかもしれません。レジスタンスとして協力して、レナ人の支配から脱却するために戦うという展開も、反逆者として体制側と戦うことになる『ベルセリア』を彷彿とさせます。『ベルセリア』のストーリーを楽しめた方は、『アライズ』のシナリオも楽しめるのではないでしょうか。
衝突する2人の今後
物語の中心となるのは、ダナ人の主人公・アルフェンとレナ人のヒロイン・シオンです。正義感が強く、青臭いアルフェンと、合理的に目標に突き進むシオンは事あるごとに意見がぶつかり合います。
シオンは自身の身体に触れるだけで人に痛みを与える「荊」という呪いを抱えているせいで、人と接するのが慣れていません。ですので、態度が硬く、口調も厳しいです。シオンの発言にイラッとすることがけっこうあるかもしれません(笑)
2人の関係がどうなるか、シオンは心を開くのかというところは、ストーリーの中でかなり重要になってくるでしょう。どうなるかは分かりませんが、シオンがデレたら破壊力抜群な気がします。
戦闘
戦闘はうまくコンボが繋がると気持ち良いです。どの技の組み合わせが一番コンボ数を増やせるのか考えていると、時間があっという間に経ってしまいます。また、技を使用する際は「AG(アーツゲージ)」というポイントを消費するのですが、このポイントは簡単に回復するので、技を出せないストレスはありません。爽快感とやりごたえがある戦闘はかなり楽しいです。
技とは違い、回復魔法を使用する際は、「CP(キュアポイント)」を使用します。CPはパーティー共通のポイントとなり、回復するには宿、野営で休むか、オレンジグミを使用する必要があります。序盤でオレンジグミは道具屋で購入できないので、CPの管理は重要です。むやみやたらにCPを使用して、オレンジグミが枯渇すると詰む可能性もあります。雑魚戦でCPがなくなったら野営に戻って回復する、ボス戦でCPがなくなったときだけオレンジグミを使って回復、とメリハリをつけるのが攻略の鍵だと思いました。
ボス戦
従来の作品よりも難易度が高く感じました。ボスの攻撃をまともに2、3発喰らうと、あっという間に戦闘不能に陥ってしまいます。ボスの動きを見極めて、ボスの攻撃をいかに避けるかがポイントです。ボタン連打だけではまず勝てません。ボスの行動も多岐に渡り、HPが減ると違う行動をしてくるので、初見だとやられてしまう可能性もあります。
ただボスに歯ごたえがある分、倒したときの達成感はかなりのものです。人によってはかなり難しく感じるかもしれませんが、このバランスは秀逸なものだと思いました。
グラフィック
グラフィックは「FF」と比べると劣るかもしれませんが、綺麗な方だと思います。テイルズの特徴であるアニメチックな表現をうまく3DCGに落とし込んでいました。同じような表現を目指しているであろう日本ファルコムの『軌跡シリーズ』よりクオリティは高いと思います。
「フェイシャルCG」という技術で、キャラクターの表情はかなり豊かです。コロコロと変わる表情だけで、キャラクターの心の動きが手に取るように分かりました。
ムービーも見応えがあり、物語をよりドラマティックに仕上げています。「ウルベゼク」でのラストシーンは必見です。
システム
次にシステム周りで気になったところをご紹介します。
ロード
現在PS4でプレイをしているのですが、ロード時間はそこまで気になりません。マップの切り替え時にロードは発生するのですが、ロード時間は短いです。戦闘への切り替わりも早いので、ロードがストレスになることは少ないと思います。
移動
最初から全体マップを見ることが可能なので、探索がかなり簡単です。一度見つけた素材の場所がマップに表示されるようになるので、素材探しにも困りません。
また、ファストトラベルが利用可能なので、ダンジョンから街に戻ることが容易です。マップ移動に関しては、かなり快適だと思います。
スキット
スキットが今までのアニメ絵ではなくなったのは、残念なところです。今回はそのまま3Dのキャラモデルを使っています。動きや表情は多彩になっているのですが、やっぱりテイルズと言えばアニメ絵でのスキットという思い入れがあったので淋しかったです。
その他
その他気になったところをご紹介します。
回復アイテムの価格が高い
HPを回復する「アップルグミ」やCPを回復する「オレンジグミ」は、従来よりも高い価格設定になっています。戦闘のところでも取り上げたのですが、CP管理はかなり重要です。むやみやたらに回復しない、CPがなくなったら野営に戻るを徹底しないとゲーム進行が難しくなると思います。
DLC
巷ではDLCの主張が激しいと言われていますが、自分はそこまで気にならなかったです。確かに野営の画面でDLCのマークが表示されていますが、そこまで雰囲気は損ねていないと思います。
DLCは衣装の他に、回復アイテムやお金が手に入るアイテムパックが手に入りますが、なくても今のところ問題ないと思います。DLCを買えば確かに攻略は楽になりますが、DLCを買わないと攻略できないという難易度ではありません。それに難易度調整ができるので、クリアが難しい場合は難易度を下げて挑むことができます。
最後に
以上、『Tales of ARISE テイルズ オブ アライズ』を序盤までプレイした感想でした。まだ序盤までしかプレイしていませんが、今作はかなり気合の入った作品だと思います。全体のクオリティが高く、欠点が少ないです。
テイルズシリーズのファンの方、新規の方にもおすすめの作品になっております。興味のある方は体験版をプレイしてみてください!