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堀江貴文「多動力」感想 キリギリスな生き方の勧め

キリギリスもアリもどっちも大事です

文庫本が発売されて、今なお話題となっている「多動力」。累計発行部数は25万部を超えており、大ヒットしています。

「多動力」の内容を一言で表すとキリギリスな生き方の勧めです。なぜキリギリスな生き方かと言うと、細谷功さんの「アリさんとキリギリス」という本に書かれているキリギリスの思考と堀江さんの思考が同じだったからです。

ホリエモンとキリギリスの自由奔放な生き方から、私達は自分にはない価値観を理解しようとすることの大切さを学べます。今回の記事では、ホリエモンとキリギリスな生き方がどういったものかを書いていきたいと思います。

キリギリスな生き方

寓話「アリとキリギリス」では、夏に冬に向けて食べ物を貯蓄しているアリと、遊び呆けて歌を歌っているキリギリスがいます。いざ冬になったときに、キリギリスは食べ物がなくなり困ります。キリギリスはアリに助けを求めますが、断られてしまいます。ストーリーが多少異なる場合もありますが、働き者のアリと怠け者のキリギリスを対比して、「備えあれば憂いなし」の教訓と地道に努力することの大切さを伝えているお話です。

細谷さんの「アリさんとキリギリス」では、怠け者の烙印を押されたキリギリスの価値観を見直して、現代ではキリギリスの考え方、生き方が重宝されるようになると述べています。

そのキリギリスの考え方は、以下の3つの考え方が軸になっています。

キリギリスの考え方

フロー志向 お金は使ってこそ意味がある。知識よりも「考えること」重視。これからどうするかを考える。

開いた系 「内と外」の線引きをしない。個人重視、自分らしさ。ルール、常識を重視しない。

可変次元 環境は自分で作り出し変えられる。「問題発見型」

ルールや過去に縛られず、自分がやりたいと思ったことを、どうすればできるのかを考えることがキリギリスの考え方であり、ホリエモンの考え方だと思います。自分で自分の道を切り開くタイプです。そのための時間の使い方、行動の仕方をまとめたのが「多動力」です。自分がしたいことをするための最短で最も効率の良い方法が書かれています。

アリにとっては無理難題

次にキリギリスとは反対のアリの考え方について述べていきます。私を含めて、多くの方は「アリの考え方」で生きていると思います。(ただ場面によってアリ、キリギリスの考え方を使い分けているので、全ての人間がアリとキリギリスに二分化されるわけではありません。会社ではアリの考え方、プライベートではキリギリスの考え方と使い分けている場合があります。)

アリの考え方

ストック志向 貯め込むことを重視。過去の経緯を重視。年齢や経験、地位や名声重視。

閉じた系 「内と外」を意識。空気を読む。組織の序列、ルールを重視。

固定次元 環境は与えられるもの。「問題解決型」

キリギリスとは正反対のアリの考え方です。過去の経験や組織のルールを重んじていて、自分の役割をきっちり果たすことを優先します。

アリには堀江さんの思考を理解できないことがあります。「電話に出ない」「おかしなヤツとは距離をとれ」「会議中にスマホをいじれ」など、そんなことできっこないと思ってしまいます。アリにとっては、堀江さんの考え方は荒唐無稽に思えることが多々あります。

キリギリスの生き方を理解する努力

堀江さんの考え方が荒唐無稽に思えても、この記事を読んでいる方の多くは、堀江さんの考え方、生き方に興味、憧れがある方だと思います。「どうしたらホリエモンのように生きられるのか」「ホリエモンみたいになりたい」と思って「多動力」を読もうとしているのではないでしょうか。

しかし「多動力」に書かれていることを、自分の中に落とし込むことができないと悩まれている方も多いと思います。そこで「多動力」をより理解するための2つのポイントをご紹介したいと思います。

①堀江さんと自分の価値観は違うことを理解すること

まず1つ目に、自分と堀江さんの価値観は違うことを理解しましょう。「多動力」に書かれていることを理解できないのは、「価値観」の軸が違うからです。堀江さんはキリギリスです。アリから見たら、キリギリスの生き方を理解できないのは当然です。

アリはキリギリスの姿を見れば「時間にも縛られず、遊んでいるように働いて、どうやってお金を稼いでいるのだろう」と思うでしょう。反対にキリギリスがアリの姿を見れば「バカ真面目に働いて、効率悪いな」と思うはずです。

②少しでも「多動力」に書かれていることができるように努力する

価値観の違う堀江さんの考え方に共感をしなくてもよいのですが、「多動力」に書かれていることの目的を理解して、少しでも実践できるように努力してみましょう。

「電話にでない」「おかしなヤツとは距離をとれ」というのは、他人のために時間を使うのではなくて、自分のために時間を使えということです。自分のために時間を使って、自分のしたいことをしようというのが根本の考え方です。

目的を理解して、自分のできる範囲で「多動力」に書かれていることを実践してみましょう。例えば「電話にでない」だったら、午前中は絶対に電話に出ないだったり、夜の19時から寝るまでは電話に出ないだったり、時間を決めて電話に出ないようにしてみると良いかもしれません。自分のできる範囲で徐々に実践ができれば、堀江さんの生き方に近づけるはずです。

アリとキリギリスどっちも大切

堀江さんの考え方はキリギリスな生き方を勧めていますが、キリギリスだけが偉くて大切というわけではありません。アリがいなければ、キリギリスのアイデアは形にはなりません。

アイデアを生み出すのがキリギリスであれば、アイデアを形にして世に送り出すのがアリです。どちらかがいなければアイデアは形になりません。

お互いの価値観を拒絶するのではなくて、価値観が違うことを理解することが大切です。自分とは違った働き方があり、違った成果を出していることに気づきましょう。アリとキリギリス両方いなければ、社会は回りません。

堀江さんの考え方、アイデアは社会にとって重要で、重宝されるべきですが、堀江さんの考え方だけでは社会が回りません。堀江さん以外の大勢の人が、アイデアを形にしようと努力しています。

まとめ

 
堀江さんの考え方はキリギリスの考え方
「多動力」には自分がしたいことをするための、最短で最も効率の良い方法が書かれている
アリには堀江さんの考え方を理解できない
価値観が違うからこそ、理解しようと努力する必要がある
アリとキリギリスどっちも大切

「多動力」には、自分の時間を取り戻すための方法が書かれています。「多動力」に書かれていることを実践できれば、自分のしたいことを我慢せずに好きなだけすることができるはずです。

ただ堀江さんの生き方に憧れるのも良いですが、アリのように地道に働き、アイデアを形にしている方がいることを忘れないでください。

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