『飲茶の「最強!」のニーチェ 幸福になる哲学』感想

難解なテーマを対話形式でわかりやすく解説

飲茶の「最強!」のニーチェ 幸福になる哲学』は哲学初心者、ニーチェの思想に初めて触れるという方におすすめです。

哲学の本で「入門」と書かれていても専門用語が多く、言い回しが難解だったりして読みづらいのですが、本書は違います。作者とアキホというキャラクターの対話形式で話が進んでいくので読みやすいですし、要点をつかみやすいです。会話も哲学書らしからぬくだけた感じなので、スムーズに読めます。私は本書を2時間程度で読むことができました。
「嫌われる勇気」と同じで、対話形式に落とし込むと物語を読んでいるようになって、難解なテーマがわかりやすく分解されていきます。

また章ごとに重要ポイントがまとめられているので、後から読み返しやすい構成になっています。初心者のために親切な設計になっています。

本書はニーチェの哲学をわかりやすく解説しているとともに、実際に現実でニーチェの哲学をどのように活かしていけば良いかが書かれています。ニーチェの哲学から生き方のヒントがもらえます。

今抱えている悩みの答えを、ニーチェの哲学はもたらしてくれるかもしれません。今回の記事では「背後世界」についてご紹介します。

背後世界 架空の価値観を信じこんでいないか

私達は誰かから与えられた、ありもしない架空の価値観を信じこんでいるかもしれません。大学は良いところを出て、就職は一部上場の大手企業に勤めて、20代後半~30代前半には結婚して、マイホームを建てて、定年まで働く・・・というのが男性の理想の生き方として捉えられてきました。

この理想から外れた者は、人生負け組のレッテルを貼られてしまいます。この生き方ができないことに落ち込んで、自分には価値がないと感じてしまう人もいるでしょう。

でも、この理想は自分自身で望んで手に入れたいと思ったものでしょうか。周りがそうしているから、親から言われたから、ニュースで言っていたから・・・。それら全ては外部から与えられた意味ではないでしょうか。

外部から押しつけられた価値観をニーチェは「背後世界」と言って説明しています。背後世界は現実世界とは本来関係がありません。

「社会人とはこういうものだ」「女とはこういうものだ」「男とはこういうものだ」「侍とはこういうものだ」とか、「○○とは本質的にはこういうものなんだ」といった話は、全部、その時代、その地域でどっかの誰かが勝手に考えた「架空の存在」にすぎないんだ。でも人間は、「現実の存在」、すなわち「実存」なんだから、そんな「見たり触れたりできない、ありもしないもの」に縛られて、自分自身を惨めに思う必要なんてないんだよ。

・・・『飲茶の「最強!」のニーチェ 幸福になる哲学』より

冒頭での男性の理想像は架空の価値観で、人間の本質とは関係ありません。先ほど述べた理想の生き方でなくても、人間は幸せに生きることができます。レールから外れたとしても、レールに戻らなくても、違うレールに乗らなくても幸せになることができるのです。理想とのギャップに苦しんでいるのなら、自分の考えている理想はどこから来たものなのか考えてみてください。

まとめ

 
哲学初心者、ニーチェ初心者におすすめ
対話形式でサクサク読める
架空の価値観を信じこんで、悩む必要はない

今回の記事ではニーチェの「背後世界」についてご紹介しましたが、本当に触りの部分です。本書では他にも「ルサンチマン」「奴隷道徳」「永劫回帰」などを解説しています。他者から与えられた価値観が信じられない状態で、人はどう生きれば幸せになれるのかが書かれています。

是非『飲茶の「最強!」のニーチェ 幸福になる哲学』で生き方のヒントを見つけてみてください。

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