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『EUREKA  交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』感想 最終作にして新たな『エウレカセブン』

2005年のテレビアニメ『 交響詩篇エウレカセブン』から続くシリーズの最新作となる『EUREKA 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』を映画館で見てきました。
16年前に放送されたテレビアニメ以降のシリーズ作品にはほとんど触れてきませんでしたが、『EUREKA』公開記念にYOUTUBEにアップされた過去作『ハイエボリューション1』『ANEMONE』を見て、今作を観ることにしました。

あまり『エウレカセブン』の世界に詳しくない私ですが、今回の作品はけっこう楽しめました。16年前とは違う大人になったエウレカは格好良かったですし、テレビアニメとはキャラクターの関係性が違ったのは新鮮で面白かったです。『ANEMONE』から続く物語としては、良い終わり方をしたなと思いました。

ですが、映画レビューサイトやSNSに上がっている感想には辛口なものがけっこう多いです。長年エウレカのファンだった方は、今作の出来に不満があるのかもしれません。私は思い入れがあまりなかったので、楽しめたのかなと思います。

今回はそんな賛否両論ある『EUREKA 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の感想を述べていきたいと思います。

ネタバレありになりますのでご注意ください!

成長したエウレカ

無口でミステリアスなイメージだったエウレカが、本作ではかなり感情を表に出していました。泣いたり、怒ったり、笑ったりと表情豊かなエウレカが見れます。現実の世界で人間達と10年暮らしたことで、エウレカは人間になっていたのだと思いました。

軍人として数多くの修羅場を経験したエウレカは、美しく、格好良い大人の姿をスクリーンで見せてくれます。超能力を使う人外のデューイに対して、生身で真っ向から立ち向かうエウレカは頼もしかったです。今まではレントンに守られたいたエウレカがアイリスを守る立場になったことに、エウレカの成長を感じました。

一方で今回の映画では、エウレカの残念な部分もけっこう描写されています。酒と筋トレ用具しかないさびれた部屋に住み、休みのときは1人で酒を飲んでいる様子は、少女だったエウレカからは想像できません。指令メールを読んでいないことをアネモネに怒られてる姿は情けなかったです。

ただ、こういう姿を見ると親近感が湧いてきます。今までエウレカは何を考えているのかわかりませんでしたが、今回のエウレカは人間臭くて共感しやすかったです。

また、エウレカには子供っぽいところも垣間見えました。アネモネのことを「アネモネちゃん」と呼んだり、アイリスと同じ目線で口喧嘩をしたりします。大人になりきれないアンバランスな部分に可愛さを感じました。

総じて今回のエウレカは今までにない魅力的な姿を見せてくれました。大人として自立した姿を見せる一方で、どこか情けなく、子供っぽい姿を見せてくれます。今作のエウレカは普通に笑い、悩み、苦しむ等身大の人間として描かれていました。

エウレカセブンっぽくない

現在公開記念に映画の冒頭がYOUTUBEにアップされています。

最初にニルヴァーシュZとシルバーボックスとの戦闘が繰り広げられます。私は映画館でこのシーンを見て、エヴァじゃんと思いました。同じように今作の中では別の作品を思い起こさせるシーンがけっこうあったと思います。「エヴァ」「逆シャア」「ターミネーター」など、既視感を感じる描写がありました。

この部分は人によって評価が別れそうです。私は楽しめたのですが、オリジナリティがないと判断する方もいると思います。「エウレカセブン」が最初に放送されたとき、空中でサーフィンしながら戦うロボット、テクノがBGMとして流れるスタイリッシュな戦闘というのは、今までにない真新しいものでした。そのイメージがある方は、今回の映画には納得できないかもしれません。

リフを使っての軽やかな戦闘は、冒頭にエウレカが見せるぐらいです。TVでの「エウレカセブン」のイメージで映画を見ると、肩透かしを食らうと思います。

今作は今までの『エウレカセブン』を想像して見ると違和感を感じると思います。「ハイエボリューションシリーズ」自体が今までの作品とは別物なので、「ハイエボリューションシリーズのエウレカセブン」として見ると良いのかなと思いました。

ホランドの扱い

個人的に作品自体は面白かったと思うのですが、唯一ホランドの扱いだけは納得できませんでした。TVシリーズでは第2の主人公のポジションだったホランドですが、今作では冒頭でエウレカの乗るウルスラグナにまったく手も足もでずかませ犬状態です。その後ほとんど出番がなく、最後の最後に新月光号に乗って地球に落下する宇宙ステーションに特攻を仕掛けます。ですが、ホランドの特攻では宇宙ステーションの落下を止めきれず、無駄死に感がありました。

ある意味では、今作のデューイが起こすの事件の元凶となってしまったホランドですが、話の本筋からは外れた場所にいたと思います。ホランドがデューイと対峙するシーンがあったら良かったのですが、そういうシーンはありません。デューイがホランドのことを気にかける描写もないので、ホランドはストーリーの蚊帳の外にいました。
せめて、デューイとの対比でホランドには生き残って欲しかったです。タルホがかわいそすぎます…。

ただ、今回の映画はエウレカによる、エウレカのための物語という側面があるので、他のキャラクターの描写がおざなりになってしまうのは仕方ないかもしれないです。ドミニクは登場すらしません。(実は劇中にドミニクが描かれたポスターが登場しているようです。デューイが初めてエウレカ達の前に現れる場面のあたりで見れると監督が特典のラジオで仰っていました)

最後に

賛否両論のある作品ですが、私は本作を観て良かったと思います。成長したエウレカが物語の主人公として今までとは違う姿を見せてくれたのは感慨深かったです。またTVシリーズとは異なるエウレカとアネモネの関係性は胸にくるものがありました。新たな「エウレカセブン」の姿を見せてもらえて、私は満足です。

今作を機に、また過去作を見直したくなりました。現在、各配信サイトにて過去作の配信を行っていますので、改めてTVシリーズを見てみたいと思います。

(今作で久しぶりに根谷美智子さんの声を聞きました。相変わらず良い声で、声を聞けただけで幸せでした。)

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