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映画『THE FIRST SLAM DUNK』ネタバレあり感想 あるシーンだけでも、この映画を見に行く価値がある

『THE FIRST SLAM DUNK』を映画館で見てきました!最先端の技術で描かれた『SLAM DUNK』は迫力があって、試合のシーンでは興奮しっぱなしでした。漫画で描かれたキャラクターがそのままの姿で動いていて、瞬きだったり、息遣いだったりがリアルに描かれていたので、まるで生きているように感じました。

ただ、自分が考えていた『SLAM DUNK』とは違う部分もあって、少し寂しい気持ちもあります。子供ではない大人になった『SLAM DUNK』を見た気分になりました。

今回の記事では、『THE FIRST SLAM DUNK』のネタバレ感想を書いています。まだ映画を見ていない方はご注意ください!

キャラクターが生きている

バスケの試合シーンは迫力満点でした。試合中は常にキャラクター達が動いていて、一枚絵で静止したシーンはなかったのではないでしょうか。スピーディに入れ替わる攻守、激しい身体のぶつかり合い、大迫力のリバウンドなど、本当にバスケの試合を見ているかのようです。

選手の息遣い、バッシュとコートが擦れる音、ドリブルの音などが映画館の中で響き、自分もコートの中にいるような感覚を味わえます。

キャラクター1人、1人の動きにもこだわりを感じました。ゴリは力強い動き、リョータはスピード感のある動き、三井のシュートフォームの綺麗さ、流川のキレのある動き、桜木の天才的な運動神経など、キャラクターの個性を感じる動きが描かれています。井上先生が描いた『SLAM DUNK』のキャラクター達が、スクリーンの中で生きていました。

ラスト30秒

今回映画で描かれていたのは山王戦ですが、かなりの部分がカットされていました。特に前半戦はほぼカットされていて残念でした。
ですが、山王戦ラスト30秒の描写で色々な不満は吹き飛んでいきました。このシーンだけでも、映画を見る価値はあると思います。原作でも屈指の名シーンが見事に描かれていました。

原作ではセリフのなかった試合ラスト30秒は、映画でも無音の状態で攻防が繰り広げられます。
沢北がゴールを入れてからの桜木のダッシュ、追いかける沢北と河田、流川のドライブからの桜木へのパス、そして最後の「左手は添えるだけ」桜木のジャンプシュート。

結末はわかっていても、このシーンでは思わず息を飲んで、魅入ってしまいました。流川から桜木にパスが渡された瞬間、『SLAM DUNK』を読んだことがある方なら「左手は添えるだけ」のセリフが心の中で響いたのではないでしょうか。私も桜木の代わりに、「左手は添えるだけ」と心の中で叫んでいました。

この濃密なラスト30秒は、日本アニメ映画史上に残るシーンだったと思います。少し不満に思う点もありましたが、このシーンが全てをかき消してくれました。

原作との違いに寂しさも

先ほども触れましたが、原作の山王戦のかなりの部分が今作では削られています。試合を見守っていた海南のメンバー、魚住の激励、仙道と流川の1on1など他校の選手のシーンは丸ごとカットされていました。

魚住の桂むきや桜木と河田美紀男の対決など、本作の空気感には合わないシーンのカットは仕方ない部分もあると思います。でも、そういうギャグシーンがあっての『SLAM DUNK』だと思うので、少し寂しい気持ちにはなりました。原作にあった賑やかさ、少年らしさみたいなものが、映画には少なかったと思います。

映画を見ていて懐かしいという気持ちも確かにあるのですが、別の作品を見ているような気分にもなりました。今作で描かれたのは、青年誌の『SLAM DUNK』だったのではと私は思います。青春ではなく、感傷的なシーンが増えていたように感じました。原作にこだわりのある方は、違和感を感じたかもしれません。

湿っぽい回想

映画では、原作にはない宮城リョータの過去が掘り下げられます。試合の合間に何度か回想が挟まれるのですが、これが試合のテンポを少し悪くしていると感じました。試合が盛り上がってきたところで湿っぽい回想が挟まれるので、テンションの落差が激しかったです。

また、リョータを中心にすえることでのアンバランスさを感じました。リョータ目線でストーリーは進んでいきますが、試合の中心にいるのは桜木花道です。彼のリバウンドが、彼のシュートが、彼の存在が湘北に与える影響ははかりしれません。一番試合で盛り上がるシーンの中心にいるのも桜木なので、リョータ中心に進むストーリーにはチグハグさを感じました。

その他感じたこと

その他感じたことを紹介します。

山王強すぎ

山王の圧倒的な強さが見事に描かれていました。特にオールコートゾーンプレスのシーンは圧巻です。山王の圧力がヒシヒシと伝わります。また、沢北の天才的な動きには絶望感すら感じました。よく湘北は山王に勝てたなと思います。

新キャストに違和感なし

公開前は新キャストを不安視する声もありましたが、私は映画を見ているときに違和感を感じませんでした。事前にキャストが発表されていなかったキャラクターも、声は合っていたと思います。

音楽

オープニングで流れるThe Birthdayの『LOVE ROCKETS』、劇中歌でエンディングでも流れる10-FEETの『第ゼロ感』。どちらも映画にマッチしていて格好良かったです。試合の重要なシーンで流れる『第ゼロ感』を聞くと、テンションがぶちあがります。

まとめ

・漫画のままキャラクターが生きている
・ラスト30秒のシーンが素晴らしすぎる
・カットされたシーンが多く残念
・リョータの回想と試合の流れがアンバランス

山王戦でカットされているシーンが多くて残念な気持ちにもなりましたが、試合ラスト30秒のシーンで不満は全て消えました。このシーンだけでも映画を見に行く価値があると思います。

また、映画が違う切り口だからこそ、原作の素晴らしさを改めて認識できました。そういう意味では、今作は最高の原作販促の映画でもあると思います。

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